ヘビのシッポが退化してしまったのはなぜ?
ヘビは南極以外の全世界に生息していて、現生では約2700種類ものヘビが確認されています。
ヘビのもっとも特徴的な点といえば『足』が無いこと。
ですが、現在でこそヘビに足はありませんが、実はかつてのヘビの祖先には足があったのです。
ヘビの祖先はトカゲに似た生物でした。
日本にはいないので見ることはできませんが、世界中には身体に比較して極端に小さな足をもつトカゲや、足の無いトカゲが存在しています。
バルカンヘビガタトカゲ
足の無いトカゲ

祖先がトカゲだったという証拠に、ニシキヘビやボアなどの大型のヘビには、今でも小さなトゲのような後ろ足の痕跡が残っています。
ニシキヘビの足の痕跡

その退化した足の痕跡を使って、交尾の際には配偶者の身体を刺激したりもします。
ニシキヘビの骨格標本
退化した後足の骨がある

では、なぜヘビの足は退化してしまったのでしょうか?
ヘビの祖先のトカゲは、ミミズのように地中生活をしていました。
土や砂の中では、足を使うより身体をクネクネとさせた方が移動が楽ですし、ウロコを滑り止めに使う現在のヘビの移動方法が適していたこともあって、足は退化してしまったのです。
足が退化したおかげで現代のヘビは、いくつもの移動方法を使い分けています。
まず、よく知られているのは身体全体を横にくねらせることによる移動です。
また、ガラガラヘビやクサリヘビのなかまの『サンドワインダー』たちは、トグロを利用して、まるでバネが伸び縮みするように砂地を素早く移動ができるのです。
ヨコバイガラガラヘビの動き
できるだけ砂に身体を付けずに素早く動けるように進化したヘビ

砂漠の暑い砂の上を移動するために、できるだけ身体を砂に付けずに移動できるように進化したヘビなのです。